2011年 3月11日「東日本大震災」を想う

2011年 3月11日「東日本大震災」を想う。

当時、東京の町田市のセミナー中、突然の揺れと物の落ちる音。
わけもわからず、受講生の皆さんと外に急ぐ途中、階段は壊れ、外に出た途端、シャッターが下り、電車は止まり。
一体何が起きているのか。

近くの交番でも状況がわからず、みんなで線路を歩きはじめ、何とか自宅へとたどり着いた記憶が蘇る。

同年5月にはイスラエルの国営放送クルー3人を引き連れて、被災を受けた宮城県に案内することになった。

余りの惨状に全員、息が詰まった。イスラエルのクルーの一人は「どうしてまだここに人々がいるのか」と言った。私は答えようがなかった。

この時、ふるさとの避難所に、スリッパを届けた。裸足で歩く避難所の方々の写真を見たからだ。

ただスリッパが10足ほど足りず受け取れない、とのボランティアの方々の悲しい顔が思い出される。
「足りないと不公平になってしまうから」という理由だった。

被災地の為に何とかしたいとの思いが堂々巡りをする中 、親しい知人の奄美大島の歌者「朝崎郁恵さん」からお声がかかった。

「歌で人々を励ましたい。被災地に行こう。」
との声に親しい音楽家の方々、作曲家「吉俣良さん」らが
背中を押してくださった。

2011年8月「響きあう心」と題してコンサート&パフォーマンスショーを5年間にわたり行った。
会場に来てくださった皆様達と共に感じ合うことができたことは、まるで昨日のように思い出す。

これを機に、吉俣良さんはふるさとの鹿児島にて、いまも復興支援コンサートされている。

私も海外公演において、これらの想いを形にした「羽衣」公演で福島の川俣シルク(復興のシンボルでもある)を使っている。
アーティストの成瀬優さんがブルーに染め上げたシルクオーガンジーや、羽二重のドレスを使い、公演活動を続けている。

2021年、10年目となった被災地を想い、そして未来を願う節目とし「纏う」と題した祈念公演をサントリーホールで行った。
混乱するコロナ禍でも、入場制限をしながら、たくさんの方々とこの舞台を通して感じ合うことができた。
プロモデル、音楽家、ダンサー、ミラクルエイジモデルメンバー、そして吉俣良さんのスペシャルライブで震災当時を偲んだ。
「決して忘れない」を伝え、思いを新たに。

これらの活動は、2022年10月の東京国立博物館「アマテラス」公演に繋がり、NHKワールドの30分間の番組として取材していただいた。
これらを通して感じる事は「真心と感じ合う気持ち」が平和を生み、希望を生むと言う事。

これからもこの想いを忘れず、美・JAPONの理念とミッションを世界に繋げて行きたいと願っています。

2025年3月11日
美・JAPON代表理事
小林栄子

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